pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
自責の念にとらわれつづけるヤナギ独白
まるで果てのない暗闇に迷い込んだようだ。何も見えない、聞こえない。形状は意味を失って黒に溶け込む。自分の呟きだけが反響する。他のものが入り込んでくることはない。なぜなら、ここでは何もかもが暗がりに融解する。迷い込んだ? 否、自ずから望んだのだ。無責任な同情から、失われた命の尊厳を守るため。二つの命の証を罪として刻むため。静かな場所が欲しかった。祈りは要らない。呪いだけがあればいい。救いなど要らない。絶望さえあればいい。この五感は罰だけを感じているべきだ。罪から目を逸らすことを誘うものなど全て消してしまえばいい。
親しかった友人たちが、この罪を赦そうとした。歌など作って、あった悲劇を有耶無耶にしようとした。だから彼らを拒んだ。彼らの性格を知っていたから、このまま付き合っていては、また惑わされかねぬと危機を感じて、一切の接触を断った、二度とそんな気を起こさぬように。
ポケモンたちが、この悲しみを慰めようとした。ひとときも離れようとせず、愛情をもって空虚を埋めようとした。だから彼らを拒んだ。彼らの性格を知っていたから、このまま付き合っていては、また決心を揺らがされかねぬと危機を感じて、彼らを道具のように扱った、二度とそんな気を起こさぬように。
何もかもが煩わしかった。ただ己を呪い、絶望に浸り、心に空いた穴を指でなぞっては痛みを確認するための、静かな場所が欲しかった。誰か一人でも、己の代わりに責め立ててくれたのならば。口汚く罵って、お前は屑だと、失われたラプラス達の命のうちの一欠片の価値もないと、唾を吐きかけでもしてくれたのならば。すこしは気も晴れようものを。しかし分かっていた、他人にどんなに責め立てられたところで足りはしない、けして満たされることなどないだろうということも。だが、いまはただ、己で責めずにはいられない。苛むのを止められない。どんなに頭を抱えても、叫んでも、泣いても、喚いても、足りない、満たされない、終わらない。抜け落ちた二つが心の歯車を狂わせる。部品を失ったにも関わらず空虚を抱えながら動き続ける、心は、歪んでさえ続いていく。こんなにも辛いのにどうして命は続いていくのだろう、そのことがただ悲しかった。
虚ろ、くらいよろこび。男は確かに、心の中に抱えた空虚を愛していた。悲しみを、苦痛を、歓迎し祝福さえした。それらは失ったもののかたちを明瞭に思い出させてくれたからだ。まるでじかに触っているように、かつて抱いていた心の感触が蘇る。しかしその一方で、これらすべての苦痛を憎み、そう感じる己自身をも嫌悪した。相反する感情に引き裂かれそうになりながらも、男の命は続いていった、無情にも。