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pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
2026年06月22日 (Mon)
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2013年09月22日 (Sun)
ぷりりとニューラ / ポケモンが喋ります。

わたしの記憶が戻ったことを報告すると、彼女はまるで自分のことのように喜んでくれました。
 それからわたしたちは並んで、寄り添うようにして笑い合う姉弟の姿を眺めていました。何も語らず、何もせず。過去を回想し、思い出の余韻を堪能するように、わたしたちはそれぞれに想いをめぐらせていました。
「ずいぶん辛いこともあったけれど」
 彼女はおっとりと口を開きました。
「不思議よね。今は、何ひとつ要らないものだとは思えないの」
「ええ」
 時間が、ひどくゆったりと流れているのが分かりました。いつか二人きり身を寄せ合うようにして、周りの物すべてを遠ざけていた姉弟の姿は既に遠いものとなりつつありました。彼らは、世界が自分たちに危害を加えないことを、少しずつ知っていったのでしょう。それはとても、愛に満たされた行為であったことでしょう。
「ところで、あなたはわたしよりも年上かしら。それとも、年下かしら?」
 おもむろに彼女がそんなことを言ったので、わたしは少し驚きました。少なくともわたしは一般的に、年齢など覚えておくことすら必要ないと認識しておりましたから。
 ですが他でもない彼女の言葉でしたから、わたしは出来るかぎり応えられるようにつとめました。ポッポの大移動や、オドシシの大量発生。お互いに知っている珍しい事件を照らし合わせた結果、おそらく、わたしのほうが彼女よりも年上だという結論に落ち着きました。
「……なんだか、不思議な気分ですね。記憶を失っていた時分は、貴女のほうがわたしよりも年上のように思えていたのに」
 そうね、と微笑んで、彼女は続けました。
「貴方が記憶を取り戻したら、やりたいことがあったの」
「……? 何でしょう」
 彼女は意味深に笑いました。彼女にしては珍しい悪戯じみた表情でした。わたしが疑問符を浮かべていると、とつぜん、彼女はわたしのことをこう呼んだのです。
「にいさん」
 びっくりしてしまったわたしがぽかんとしていると、彼女は気恥ずかしそうに目をそらして、笑いました。
「……うふふ。シルバー君が、ブルーのことを姉さんって呼ぶでしょう? だからわたしも、ずっと、呼んでみたいって思ってたの」
「……わたしが年下だったらどうするつもりだったんですか」
「ねえさんって呼んでって、貴方にお願いするつもりだったわ」
 なんだかこちらまで恥ずかしいような居たたまれないような心持ちになってきて、わたしも彼女から目を逸らしました。まるで人間みたいに、そんなふうに呼び合う日が来るなんて。しかもそれが、妙に素敵な思いつきのように思えてしまったものですから、わたしは情けないような、悔しいような、とにかくどうしようもない気分になってきて、堪らず小さく悪態をつきました。
「…………なんというか貴女は相変わらず、色々と反則です」
「ごめんね」
「褒めてるんですよ、もう」
「うん、分かってるわ」
 ……かなわないなあ、全く。
 姉弟が笑い合う声を聞きながら、今日もわたしたちは、いまという時間を噛み締める。
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