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pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
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2013年12月20日 (Fri)
学パロ/クリス+エメラルド

 ゴールドは不思議な少年だ。
 妙に情にもろいかと思えば、どこまでもドライなようにも見える。少しも優しくはなくてむしろ自分勝手で横暴なところばかりなのに、何故か人を惹き付ける。素直じゃなくて分かり難いうえに偏屈なところもあって、よくもまあ友達を続けていられたものだと、クリスはときどき思うことがある。ちなみにシルバーは口数こそ少ないものの彼に比べればずっと素直なほうで、失礼だけれどゴールドの親友とは思えない。でこぼこちぐはぐしているところが逆にぴったり嵌るのかもしれない。
「サクラってのは、偽客のことだよ」
 あれはいつかの夏祭り、露店を遠巻きに眺めながら、ゴールドはそういった。本物の客の購買意欲を煽るために、店側で雇った偽の客のこと。
「それって……お客さんを騙していることにはならないの?」
「んー、けどよ、結局買って損するか得するかなんて分からないわけだろ。買わなくて後悔することもあるだろうし、それに」
 目線の先の露店でわあっと声が上がり、盛り上がりを見せたその様子を眺めながら、ゴールドは笑った。
「ああやって人が活気を帯びていくのを見るのは、いいもんだよ」
 その横顔がまぶしくて、けれど視線を離せなかったのを憶えている。
 ゴールドはお世辞にも真面目とは言えなくて、イカサマだってするし、望みのためならルール違反も厭わない。それでも彼に惹かれる理由。どんなに型破りだって、一番大事なことを彼は分かってた。根っからの不良だけれど、ゴールドは、頑張っている人に対して決して貶めるようなことをしない。何かにまっすぐに向かって行ける人には尊敬すら抱いている。
「……クリスタルさん?」
「ああ、ごめん、サクラって言うと、違うほうを思い出しちゃって」
 しばし考えに耽っていた思考を呼び戻されて、クリスは苦笑する。ゴールドとは似ても似つかない、真面目な少年と話していたはずだったのに、いつの間に考えが逸れてしまっていた。
「それより、受験勉強はどう? エメラルド君のことだから心配はしていないけど」
「はい、おおむね順調なんですけど、ちょっとよく分からないところがあって」
「どこ?」
 参考書を開いて指し示した問題は、クリスが想像していたよりもずっと高度なものだった。目を瞬いて、まじまじと少年の姿を見る。教えられるかしらと内心冷や汗をかいたものの、落ち着いて問題に目を通してみてほっとする。これなら分かる。
「ねえ、エメラルド君ならうちの高校よりももっと良い学校にいけるんじゃない?」
「……学生寮のあるとこじゃないと。それに、……いや、何でもないです」
 言及する暇を与えず、クリスタルさん分かりますかと真摯にたずねてくる少年に、クリスは懇切丁寧にその問題を解説した。熱心なうえ物わかりも良い少年を前に思い出したのは、なぜかゴールドのことだった。
 ゴールドもこのくらい熱心だったらなあ。
 自分でも知らず溜息をついたクリスの横顔を、少年はどこかおもしろくなさそうに見上げていた。

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