pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
学パロ/マサラ組
「ブルーって土曜日いつも駄目だよな。なんか決まった用事でもあるのか?」
何気なしにそう言ったレッドが即座に後悔したのは、目の前のブルーの顔が真顔からにんまりとしたものに変わったからだった。……知りたい? 意味深な沈黙のあとそう囁いた彼女に、めめめめ滅相もございませんとレッドは即座に切り返した。こういう表情のときのブルーに関わって良い思いをした記憶はない。
「放っておけ、レッド」
科学雑誌に目を落としたまま、グリーンがやる気の感じられない忠告をする。既に手遅れであることは言うまでもない。その言葉に気をよくしたらしいブルーが言う。
「そうそう。いい男は女の秘密を詮索しないものなのよ。ねっグリーン」
「……」
阿呆らしい。
沈黙で返したグリーンだったが、その表情にはありありと今の心境が現れている。そんなことなど気にもとめず、じゃあまた月曜日ね、とブルーは手を振って教室を出て行ってしまう。
その後ろ姿を釈然としない思いで見送っていたレッドは、科学雑誌から視線を外そうとしないグリーンに向かう。いい男は女の秘密を詮索しない、か。うーん。
「あいつときどき難しいこと言うよな」
「うん?」
「いい男は女の秘密を詮索しない、とかさあ」
「戯言だろう」
ふとレッドは、グリーンの視線が最初から同じところに滞っていることに気付く。おや、これはもしかしなくても。
「……やっぱお前も心配してんじゃん」
「別にしてない」
「さっきから全然進んでない」
「……」
グリーンは溜息をついて、雑誌を閉じた。
ブルーに関してはいろいろと複雑な事情があって、いささか危なっかしく感じられるところがあるのも確かだった。特に一時期は酷くスレていて、万引きの常習犯だったという黒い噂も聞く。訳あって幼い頃に両親と引き離され、孤児院で育った彼女が両親と再会する際、その悪癖を直すフォローの意味合いを兼ねて、レッドとグリーンは彼女の友達になったのだ。
それから数年は何事もなく過ぎて行った。ブルーは年々、少しちゃっかりしたところのある明るい女の子へと変わっていった。けれど、今になって。
「……聞いたのか? あの噂」
「…………ブルーが休日男の家に入り浸ってるってやつ?」
教室にはもう誰もいないが、自然と声も潜めたものになる。視線を合わせて、同じタイミングで溜息が漏れた。彼女に関しては昔から、頭の痛い問題ばかりだ。
ブルーほど、才色兼備という言葉の似合う生徒もそうそういない。街を歩けば簡単に男の一人や二人引っ掛けることができるような少女である。けれど、突き詰めてみればブルーはただの女の子に過ぎない。悪い男に引っかかっていたらと思うとぞっとする。十年間も探し続けた娘と再会した彼女の両親に、どう伝えていいものか。
「よし。明日、調べてみよう。グリーンも来るよな?」
面倒そうな顔をしていたものの、反論はなかったので来るということだろうと自己完結して、レッドは意気込んだ。