pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
シルゴ
嫌いだ。と、シルバーは言った。おまえのそういうとこ。あいつにしては珍しく本気で苦々しい表情で、顔を背けて部屋を出て行こうとする腕を掴んだ。構わず足を進めようとするのを、両手で掴むと、力任せに引っ張られて、フローリングの上に転がった。けど、手は離してない。あいつは苦虫をかみつぶしたような表情でみおろしてきた、あ、おれその顔ちょっと好みかもなとか思っちまう辺り終わってるよな。他人事のように呟きながら、あいつの出方を待ってたら、はなせ、と言った。声がひどく情けないのに笑っちまいそうになりながら、やだ、と一蹴してやった。歪む表情が楽しい。おれもまあ、たいがい意地わるいよな。なあなんでそんな顔すんの。仰向けのだんごむしみたいに転がった姿勢のまま見上げる。あいつから見た俺、いますげえ間抜けだろ。けど見下ろしてくる瞳はぜんぜんそんなじゃなくて、怒ってる、っていうんでもなくて、寧ろ。あれ。
「……なんで。……そんな顔、すんだよ」
たぶん、お互いに呆気にとられてて、時間、止まってた。十秒くらい。
それからあいつは強引に、俺の手を振りほどいて部屋から出ていった。びっくりしすぎて握力よわってたらしい、畜生。追いかけるか、それとも放っとくか、まあ気分次第だよな。なんて考えつつ、転がったままで振りほどかれた自分のてのひら見たら、真っ赤になってた。こんな力いれてたっけ、こりゃ痛かったかもなあ。ふと違和感を感じて、あれって思った。気付いたらいつのまにか、宙に翳したてのひらが震えてた。