pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
R-15
キャラ崩壊注意(今更)
クリスが際どい表現をしております
最終調整で消しちゃう予定ですが、ソーニャの一節はとある作家さんリスペクト
キャラ崩壊注意(今更)
クリスが際どい表現をしております
最終調整で消しちゃう予定ですが、ソーニャの一節はとある作家さんリスペクト
真水よりも透き通った硝子の半球の中で、一輪の綺麗な花が咲いているとするでしょう。瑞々しい花びらは触れたさきから淡雪のように溶けてしまいそうで、優美な姿勢の濃い緑の茎なども折れそうにほっそりとしていて、何もかも生まれたてのように儚げであるのに同時に、それらの美しさは頑なに永久に失われないのだと、見るものにそう確信させるような、そんな花を想像してくれればいいの。
あんまり綺麗なのでわたしは手を伸ばして硝子に触れるのだけれど、わたしがいくら触れようとも指紋ひとつつかず、驚いたわたしが悪戯ごころに半球ごと自分の家に持って帰っても、とても暑いところやとても寒いところに行ったとしても、花はびくともせずに、儚げに微笑んでいる。最後には躍起になってわたしはその硝子ごと壊してしまおうとするんだけれど、やっぱり傷ひとつ付かないどころか、かえってそのために花はわたしにいちだんと優しくなる。
ごめん、ってその花は言う。だけどわたしが望んでいるのはそんな言葉じゃないの。花はやっぱり頑なに、わたしに触れさせるつもりがないので謝っているのだから。毒があるからってその花は言うの。その毒はわたしのすべてを腐らせてしまうからって言うのよ。そんなこと関係ないわってわたしは言いかえすの、だってわたしは触れたいんだもの。だけど花はやっぱりだめだというの。そのままのわたしが好きだって、花はとびきりの優しさで囁いて、そればかり。わたしはいつしか諦めて、花のことで苦しまないようにした。わたしもそのままの貴方が好きよ、だからここからいなくならないでねって。わたしがそう言うと、花は何も言わないで、少しだけ悲しいような微笑を浮かべる。わたしが苦しむのを止めたときから、もうまるっきり約束されてしまったということなの。
「ほんとうは、ちがったんだろう? ほんとうに愛していたのは——」
暫く経ってから花はそう零した。いつもどおり物静かなやさしい調子で切り出してから、それから花は自分自身で後悔したように口を噤んだ。けれどそのフレーズだけで花の言わんとしていることを察するには十分だった。ごめんなさいと口にする前に、なにも悪いことはないと花は言う。
「いつかはきっと此処を発つかもしれない、だけどそれが如何したというんだ。お前は右へ俺は左へ、それだけのことじゃないか。俺はそうしたいし、(お前もそれを望んでる、)万事うまくいくってわけさ、そうだろう?」
わたしが愛していたのは、花に触れてみたい振りをすることだった。わたしはあの花に触れたいわけでも、あの花を壊したいわけでもなく、わたしは自分と、戯れに悲しいことのやりとりがしたかったに過ぎない。わたしはわたしの世界が腐ってしまうことを、わたしの引いたギリギリの境界線を侵されることを望んではいなかった、もしもそうなったらきっと全力で阻止するだろうとさえ。わたしはあの花にあんなに懇願したくせ、ほんとうはわたしに触れさせないままの花でいてくれることを期待していたし、いつか花が何処かへ行ってしまうことさえ、心の何処かでは望んでいたの。もちろん、もし実際に何処かへ行ってしまったとしたら、その何倍もわたしは悲しむでしょう、何年だって枕を濡らすでしょう、だけどその涙もね、きっと浅ましい欲求の為の涙に過ぎないのよ、わたしのマスターベーションのためだけのね。
わたし、本当は自分が、誰も愛していないんじゃないかって思うことがあるの。子供達は好き、ママや、図鑑所有者のみんなも、塾の先生やママや街のみんなだって好き、だけどそれはほんとの気持かしらって。あの綺麗な花とのやりとりみたいに、わたしはほんとうのところ殆ど軽蔑していて、その軽蔑のために愛しているんじゃないかとさえ思うの。(……こういうこと話すと、暇なんだよっていわれるけど。まあ事実ね、今のわたしはこのくらいのことにしか意味を見出せないでいるの。そして相変わらず、自慰に耽っているってわけなの、まったく幸福この上ないわ。)
だけど、わたし、一つだけ、ほんとうに愛したと言えるものがあるの。何度もくりかえし考えたけど、これだけは疑いなく、そう言えるってものがある。手に余るほど愛しすぎていたにも関わらず、わたしがあまりに軽率だったので身の破滅を招いた。身の破滅というものはどんなつもりで言っているかというと、身を持ち崩すということなの、つまりどんなに頑張っても、(あの穢れないソーニャみたいにはね、)もう二度と身ぎれいにできなくなってしまうということなの。