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pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
2026年06月22日 (Mon)
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2014年09月15日 (Mon)
シルバーと手持ちの関係についての諸々

※ニューラとオーダイルが喋ります
※模造がいろいろひどい


 ポケモンとトレーナーの関係というものは、実にさまざまでございます。例えば、わたしと前の主人は、親友という言葉が最も近かったでしょう。前の主人は神経の細い女性で、病弱だったものですから、わたしはよく寝込む彼女の世話をしました。けれどもそれも、彼女がわたしにとっての親友だったからです。また、鳥に攫われた先で恐怖に震えていた幼い人間の少女と、それに寄り添うポケモンの女性にも出会いました。女性はわたしよりも少し年下であることが後にわかりましたが、当初記憶を失っていたわたしにとって、その後の人生の規範ともなりうるような、尊敬に値する女性でした。彼女と彼女の主人の関係を言葉としてあらわすならば、姉妹という言葉がもっともしっくりくるような気がいたします。もちろん、わたしたちは人間のように言葉を使って主人を慰めるようなことはできません、けれど、寄り添うことはできるのです。言葉はなくとも、幼い少女を抱きとめ、共にいることを選び続けた彼女は、やはり姉のようでもありました。その後に、わたしはたくさんのポケモン達とともに育った少年と出会ったこともあります。ポケモンは彼の家族であり、彼はポケモンの家族でありました。そして彼は共に旅するポケモン達を、相棒と呼びました。彼はわたしの主人と反目しあっていましたが、敵たるわたしに物怖じすることなく、触れることさえ躊躇いませんでした。まるでずっと一緒にいたかのように、わたしの頭を掌で拭いました。彼はどんなポケモンにすら畏れを抱きませんでした。彼とポケモンは、家族でありました。そして彼と共に旅をするポケモンは、相棒でありました。
 わたしといまの主人との関係は、いったい如何なるものでしょうか。わたしだけでなく、主人の手持ちと、主人の関係は、主人にとってのわたしたちとは、いったい何なのでしょうか。わたしの主人は、決してポケモン達に優しくしたりしない方でした。かといって、わたしたちが負けたりしたときに、責めることもありませんでした。ただ、無関心であったのかも……しれません、あの頃は主人も必死で、ほかのことに構っている余裕も無かったのかもしれません。わたしたち、主人の手持ちたちは、お互いに会話をすることもほとんどありませんでした。声を立てれば、考えや気持ちをくみかわせば、主人の向かうところを邪魔し、その軌跡を穢してしまうような気がしていました。おそらくわたしたちはそれぞれに、主人のそういうところに惹かれていました。優しさよりももっと、憧れていました。そしてわたしたちは、主人が成し遂げるところの手段であり、主人が先を切り開くための方法でした。ただ、道具とはすこし違いました。たびたび見かける他のトレーナーとポケモン達の間には多少なりとも愛憎がありました。けれどもわたしたちと主人の間にはそれがありませんでした。わたしたちは、愛情のような見返りを求めることなく、ただ目的のために戦っては傷つきました。そのことがなぜだかひどく高尚で神聖なことのように感じられたのです。主人の望みは美しかった。主人の意志は一点の曇りもない、閃く光の矢、そしてわたしたちはその一部であることを望んでいました。主人の意志と一体になって、道を切り開く手段であること。おそらくそれが、わたしたちの幸せだったのです。……あの頃わたしたちが主人に向けていた感情は、おそらく信仰というものではないかと思うのです。それでは、その関係を表すならば教祖と信者でしょうか。それも少し、ニュアンスが違うような気がします。いうなればわたしたちは、主人の意志そのものでありました。透明な視線の見据える先を目指す、ただ光でありました。
 その後、まあ色々とありまして、主人にも変化が訪れました。他のトレーナーと同じように、わたしたちと主人のあいだにも多少の愛情というものが交わされるようになり、わたしたち手持ち同士のあいだでも、だんだんに会話をするようになりました。それでも、わたしたちはあるひとつのことに関しては示し合わせたように語りませんでした。すなわち、主人がわたしたちを選び続ける限り、わたしたちは戦い、傷つき続けようとすること。いつまでも主人と共にあるということ。そのことだけは、口に出してしまえば偽物になってしまう気がしていたのです。それでも一度だけ、近い会話をしたことがありますので、それを告白することにいたします。あれは、わたしがずっと気になっていたことを、オーダイルに尋ねた形でありました。
 彼は、主人とわたしが研究所から盗み出したポケモンでした。もとより口数が少ないらしく、それでいて物怖じするところもない、一風変わったポケモンでありました。そして何より不思議なところは、拉致同然に盗み出したその日から、彼が主人に反抗するということが一切なかったということでありました。あの日、彼と共に置かれていたボールの中のポケモン達がひどく狼狽していたのを、わたしは見て知っていましたから、攫われた当人である彼だけが平然として、そしてその後には共に育ったであろうヒノアラシとそのトレーナーに、躊躇いもなく牙を向けたことに驚いていたのでした。わたしはそのことについて、その後に、オーダイル本人に尋ねてみたことがあったのです。彼は、答えました。
 ——研究所で育ってきたからかな。僕は主人のような人間を知らなかった。最初はきっと、単純に憧れていたんだと思うよ、人間なのに、僕よりもずっと野生らしいところのある彼を、カッコイイ、と思ってた、たぶんね。でもいまになって考えれば、きっとあれは運命の出会い、ってやつで、一目惚れってやつだったんじゃないかな?
 彼の答えには、すんなり納得した覚えがあります。わたしたちにとっての主人は、恋人、いえ……、伴侶といっても差し支えないかもしれません。わたしたちは彼の意志であることを望み続け、彼は意志を貫く手段としてわたしたちを選び続ける。願わくば、彼の選択がわたしの選択であるように。どこまでも、彼とともに行けるように。道が途絶え、時間が尽きるその最期まで、ひとつの光でいられるように。



(いつか戦いが終わり、光の矢が潰えるときが来ても、許されるならば君の傍にいましょう)
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