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pkmnsp 二次創作ブログ / CP雑食
2026年06月22日 (Mon)
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2014年02月09日 (Sun)
闇堕ち・悪堕ち(未遂含む)シチュエーションまとめました。
カントーとジョウトで全員書こうとしたけれども、グリーンとイエローだけは思いつきませんでした。この二人は男前過ぎる。


-Christal ver.-

「何考えてんだ、クリス、おいちょっと待て!」
 歩くわたしを後ろから追ってくるゴールドに、手首を掴まれたから振り払った。それでも懲りずについてきて喧しく騒ぎ立てる、この男が煩わしい。もういちど手を掴まれて振りほどこうとしたのだけれど今度は解放されず、足を止めて振り返った。
「……放してゴールド」
「やなこった。放したらてめえ、あいつらんとこ行っちまうだろ」
「放して!」
 睨みつけてもびくともしない。けれど、負けるわけにはいかない。ここで引き下がるなんてできないもの。
 ジョバンニ先生が冤罪で投獄されてから僅か三日。まるで謀ったかのようにあいつらがやってきて、ポケモン塾の所有権を主張した。嵌められたのだと気付いたときには、もう法に訴え出るには遅すぎて。それからだ、塾の子供たちの一部が時折姿を消したと耳にしたのは。問いつめれば集団脱走の一点張りだった。けれどブルーさんやシルバーの助けを借りて、姿を消した彼らが悪事に利用されていることを突き止めた。
「だいたい、行ってどうすんだよ。子供を人質にされたらお前じゃ打つ手ねえだろ」
「一時も我慢できないの! 子供たちが悪事のために利用されるくらいなら、いっそわたしが……、もう、放して!!」
「わっ!」
 乱暴にゴールドを振り払って前に駆け出した、ら、誰かにぶつかった。思わずよろめいて顔を上げる。シルバーが、少し悲しそうな目をしてわたしを見ていた。
「止めておけ。お前には無理だ、クリス」
 彼が言うのは腹が立つほど正論で、悔しくて、悲しくて。視界の中心で静かに揺らめく銀の双眸は、やがてわたしの目元に滲んだ涙でぼやけた。

-Gold ver.-

「わたしのことはいいから、シルバーの目を治してあげて」
 それが、車椅子に座るクリスの口癖だった。
「大事な女なんだろ。そんな金があるならクリスの足を治してやれ」
 それが、盲目になったシルバーの口癖だった。
「俺を誰だと思ってんだ? 二人まとめて治してやるに決まってんだろ」
 そして俺は決まってそう答えた。
 事故で幼い少女を庇ったクリスの足が使い物にならなくなったとき、俺たちは三人で歩けなくなってしまった。ロケット団を恨む若者から硫酸を浴びせられてシルバーの目が光を映さなくなったとき、俺たちは三人で同じ景色を見ることも叶わなくなってしまった。なあ、なんでお前らがこんな目にあわなきゃいけなかったんだろうな。
 クリスの足の届かないところで、シルバーの目の届かないところで、俺はでっかいビジネスを始めた。所謂ドラッグの運び屋。エーたろうとニューラはよくやってくれている。シルバーは自分のポケモンがそんな非道に手を染めているとは知らない。あいつのことだから、いつか感づくかもしれない。けれど今のところはそんな予兆はなかった。
 ドラッグは違法、はん、くそくらえだ。後少し病院に運ばれるのが早かったら、クリスもシルバーも助かってた。その場にいた人間が恐れおののいてクリスの足を、シルバーの目を見捨てたんだ。そんな連中のことを考えることに何の意味がある、なあ?
「……いいか、しくるんじゃねェぞ。捕まっても絶対吐くな、そしたらちゃんと助けてやっから」
 気付けば俺は六人の部下を従える立場になっていた。悪くねえ。このペースなら、あと一ヶ月もやればなんとか金は用意できる。外国へ高飛びして、それから。
 もう少し。もう少しだからな。
(……待ってろ、クリス、シルバー。もう少しで、また三人で、)

-Silver ver.-

 力の差は明らかだった。これだけの力量差があれば俺を無理矢理捕まえるのも容易いだろうに、それをしないのはおそらく、俺たちに敗北を認めさせるためだ。ゴールドとクリスの体力ももう限界に近い。逆転の策もない。もう無理だ、と俺には分かっていた。それでもあいつらの目から力はまだ失われていないのが不思議だった。その炎をここで潰えさせるわけにはいかなかった、だから。
「……っざ、けんなぁ!!」
 降参の意を示して向こう側へと歩き出せば、背後でゴールドが吠え、土を蹴る音がした。けれどその結果など見なくても分かる。敵のニドリーノに足をすくわれ、無様に倒れ込んだようだった。畜生、と振り絞るような声が聞こえる。
 歩きながら少し首を傾けて振り返った。倒れたままのゴールドと、目が合う。あんまり酷い顔で、思わず笑いそうになった。
 心配しなくても、隙を見て逃げだしてやる。お前らの助けなんて無くてもな。そう思って笑ってやった。その真意がゴールドに伝わったのかは分からない。けれどゴールドはその一瞬後で、泣きそうな顔をしながらも不敵に唇をつり上げてみせたのだ。
「ぜってえ助け出してやる。そんときになって吠え面かくなよ、バーカ!」

-Red ver.-

 何の意味もないよ、なあグリーン。
 ああ自分の愚かさに反吐が出そうだ、俺はいったい何を求めていたんだろう。見ず知らずの人を守ったところで何になる。何一つ知らない、好きでも嫌いでもない奴の命を救ったところで何になる。殺戮は惨いことだ、笑止。俺と何一つ接点がないのなら、人だろうとポッポだろうと一緒さ、そうだろう。でもお前のことは死なせたくない、俺の大事な親友であり最大のライバル。だから前と変わらない。俺とお前は、唯一無二の存在だ。
「ふざけるな」
 差し出した手は払われた。ビジリアンの双眸がギラギラと強い光を放っている。
 ははは。なんだ、お前にも分かんないことってあるんだな。俺たちのしてきたことがいかに無意味で、無様だったことに。結局俺たちはトレーナーに過ぎないんだよ。神じゃない。神になるつもりもない。トレーナーの本分は戦うこと。戦いは善でも悪でもない、虚飾されてはいけないんだ。
 残念だな、お前とはずっと同じ道を競っていけると思っていたのに。ぎらついた眼差しは今にも俺に噛みつかんとしている。勿体ないな本当に。
「……けれど、何の意味もないんだよ。なあグリーン」

-Blue ver.-

 最初はこんなつもりじゃなかったのよ。
 こいつらがあの子のことを狙ってるっていう噂を聞きつけて、ほんとのところを探ってやろうと、そう思っていただけだったのに。正体がバレたうえに、ここまで追いつめられるなんて。
 彼らは言った。あたしに大事な物を守るだけの力をあげようって。ふざけんじゃないわよ。そう跳ね退けてやることだってできたはずなのに、まるで金縛りにあったみたいに身体が動かなかった。
「また繰り返したいのですか」
 その言葉に、咄嗟に浮かんだ。あたしを庇ったグリーンはどうなったかしら。まだ、目を覚ましてはいないのかしら。もうこれ以上何も失いたくなくて、単身敵の懐に飛び込んだ。こんどこそ、大事なものを守るために。
「このままでは遅かれ早かれ、弟さんは殺されますよ。簡単なこと。それを守るには、あなたはあちら様のコンピュータをハッキングして、指定の情報を提供してくれるだけでいい。その後のあなたの身の安全も保障します」
 そう。そうなの。でも、もしこのことがバレたら、あたしはもう元には戻れなくなるわね。グリーンとも、シルバーとも、みんなとも、もう会えなくなる。でもいいの、それで守れるなら。
 彼らが生きてさえくれていれば、きっとレッドとグリーンがこの組織を潰してくれる。あたしごと。あたしは正義のヒーローにはなれない。だからこれでいいんだわ。
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